第21回: チャネル比較 — どれが一番ラクに繋がる?
この回はレクチャー動画はありません。テキストのみとなります。
この回で学ぶこと
チャネルとは何か(秘書への連絡手段)
OpenClawが対応しているチャネルの種類
主要チャネルの比較と選び方
なぜTelegramが初学者に最適か
前回のおさらい
Part 4(第17〜20回)で秘書にメモリを与えた。MEMORY.mdに長期記憶を蓄積し、日次ログで日々の会話が記録される。過去の会話もmemory_searchで検索できる状態になった。今回からPart 5に入り、秘書との「連絡手段」を整備する。
チャネルとは
チャネルとは、秘書に話しかけるための「連絡手段」のこと。
ここまではWeb UI(ブラウザのチャット画面)で秘書と会話してきた。実はこのWeb UI自体もチャネルの一つ。OpenClawでは、Web UI以外にもTelegram、Discord、WhatsAppなど、さまざまなアプリから同じ秘書に話しかけることができる。
人間に例えると、秘書への「電話回線」のようなもの。固定電話からでも携帯からでもLINEからでも、同じ秘書に繋がる。どの回線から話しかけても、秘書は同じ記憶(MEMORY.md、日次ログ)を持っている。
OpenClawの対応チャネル
OpenClawは22のチャネルに対応している(公式ドキュメントより)。
チャネルは「最初から使えるもの」と「追加インストールが必要なもの」の2種類がある。
最初から使えるチャネル(ネイティブ対応):
OpenClawに最初から組み込まれているチャネル。追加の設定ファイルやプログラムのインストールなしで使える。
Telegram — 公式推奨。この講座のメイン
Discord — チーム・コミュニティ向き
Slack — 会社で使っている場合に
WhatsApp — QRコードでペアリングして使う
Signal — プライバシー重視のメッセージアプリ
Google Chat — Google Workspaceユーザー向け
IRC — エンジニア向けチャットプロトコル
iMessage — Macユーザー向け(BlueBubbles経由)
WebChat — Part 2から使っているブラウザのチャット画面
追加インストールが必要なチャネル(プラグイン対応):
OpenClaw公式がプラグイン(拡張パーツ)として提供しているチャネル。別途インストール手順がある。
LINE — 日本のユーザーに人気だが手順が複雑
Microsoft Teams — 企業向け
Twitch — 配信プラットフォーム
その他(Matrix、Mattermost、Feishu、Nextcloud Talk、Nostr、Zaloなど)
注意: Chatworkは2026年3月時点で公式・コミュニティともに対応チャネルに含まれていない。
全てを一度にセットアップする必要はない。まず1つのチャネルで秘書と会話できる状態を作り、必要に応じて他のチャネルを追加していくのが効率的な進め方になる。
主要チャネルの比較
この講座では、日本のユーザーにとって選択肢になりやすい主要チャネルを比較する。
Web UI | 済み(Part 2で完了) | ネイティブ | 制限なし | ブラウザで使う。既に使用中 |
Telegram | 簡単(5分程度) | ネイティブ | 4,000文字 | 公式推奨。スマホから使える |
Discord | やや手間 | ネイティブ | 2,000文字 | チーム・コミュニティ向き |
やや手間 | ネイティブ | 4,000文字 | QRコードでペアリング。別番号推奨 | |
Slack | やや手間 | ネイティブ | 4,000文字(推奨) | 会社で既にSlackを使っている場合に |
LINE | 複雑 | プラグイン | 5,000文字 | 日本人ユーザーは多いが制約も多い |
メッセージ上限について: 秘書からの返事がこの文字数を超える場合、自動的に分割して送信される。実用上はほとんど気にならない。
各チャネルの特徴
Web UI(既に使用中)
Part 2でセットアップ済み。ブラウザから秘書と会話できる。PCの前にいるときはこれが一番手軽。ただしスマホから使いたい場合は別のチャネルが必要。
Telegram(公式推奨)
公式のGetting Startedドキュメントでも、初心者が最初に使うチャネルとして推奨されている。BotFatherという公式Botにメッセージを送るだけで、自分専用のBotを作成できる。Telegramのメッセージ送受信自体は無制限・無料(※秘書がAIを使って返事する際のAPI利用料は別途かかる。これは全チャネル共通)。テキストだけでなく画像・ファイル・ボタンUIにも対応。
Discord
Developer Portalでアプリ登録 → Bot作成 → 権限設定 → サーバー招待、という手順を踏む。サーバー(グループ)単位での運用に向いており、チームやコミュニティで秘書を共有したい場合に最適。
OpenClawはWhatsApp Webの仕組みを使って接続する。公式APIではないため、WhatsApp側の仕様変更で動作しなくなるリスクがある。公式ドキュメントでは、普段使いの電話番号とは別の番号での運用が推奨されている。
Slack
ワークスペース作成 → App作成 → OAuth設定 → インストール、という流れ。会社で既にSlackを使っている場合は、業務ツールとしてそのまま組み込める利点がある。無料プランでは90日でメッセージが消失する制約がある。
LINE
公式プラグインとして提供されている。LINE Developers登録 → チャネル作成 → Messaging API有効化 → Webhook URL設定(HTTPS必須)と手順が多い。さらに無料プランではメッセージ送信数に月200通の制限があり、超過すると月額5,000円〜の料金が発生する。日本人の大半がLINEを使っているため需要は高いが、セットアップの複雑さと月額コストが初学者にとってハードルになる。
まずTelegramで始める理由
LINEで使いたいという気持ちは自然だが、まずはTelegramで秘書が動く体験を最速で得ることを推奨する。公式ドキュメントでも初心者向けにTelegramが推奨されている。
理由は3つ:
セットアップが最も簡単 — BotFatherにメッセージを送るだけ。5分程度で完了する
メッセージ無制限 — Telegram側のコストを気にせず秘書と会話し放題
ネイティブ対応で安定 — プラグインのインストールが不要。トラブルが起きにくい
補足: Telegramで秘書の動作を確認した後で、LINEやDiscordなどの他のチャネルを追加することもできる。チャネルの追加は後からいつでもできるので、まずは1つ動かすことを優先しよう。
チャネル設定はどこに書くか(予告)
チャネルの設定は、Part 2でセットアップした設定ファイル(openclaw.json)に追記する。具体的な設定手順は次回(第22回)で詳しく解説する。
もう一つ大事な設定として「誰が秘書に話しかけられるか」を制御する仕組みがある。初期設定では、最初にペアリング(認証)した人だけが秘書と会話できるようになっている。つまり、知らない人が勝手に秘書を使うことはできない。この仕組みについても次回以降で触れていく。
ゴール状態
チャネルとは「秘書への連絡手段」であることを理解している
Web UI(既に使用中)もチャネルの一つだと知っている
OpenClawが22のチャネルに対応していることを知っている
主要チャネルの違いを理解している
「まずTelegram」で始める理由に納得している