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📚 OpenClaw基礎講座

第16回: 人格カスタマイズ実践 — 世界に一つの秘書を完成させる

※この動画はローカルに存在しません(配信元で削除/非公開)

この回はレクチャー動画はありません。テキストのみとなります。

この回で学ぶこと

  • 3つのファイルの統合的なカスタマイズ方法

  • 人格の微調整テクニック(口調・反応パターン・得意分野)

  • 自分だけの秘書の完成


前回のおさらい

USER.md(自分の情報)とIDENTITY.md(秘書の名刺)を書いた。SOUL.md(行動指針と制約)と合わせて3つのファイルが揃った。今回はこの3つを組み合わせて最終調整し、世界に一つの秘書を完成させる。


3ファイルの統合チェック

まず、ここまで作った3つのファイルが矛盾なく噛み合っているかを確認する。

なぜ矛盾チェックが大事なのか。OpenClawは起動時にSOUL.md・USER.md・IDENTITY.mdを全て読み込み、つなぎ合わせてAIに渡す。もしファイル間で指示が矛盾していると、AIがどちらに従うべきか迷い、返答がブレる原因になる。

チェックポイント:

チェック項目

矛盾の例

SOUL.mdの口調 と IDENTITY.mdの回答スタイル

SOUL.mdに「敬語で話す」、IDENTITY.mdに「フランクに返す」と書いてある

USER.mdの好み と SOUL.mdの指示

USER.mdに「簡潔な報告を好む」、SOUL.mdに「詳細に説明すること」と書いてある

制約の厳しさ

「外部サイトにアクセスしない」と書いたせいで、ニュース収集もできなくなる

矛盾を見つけたら、3つのファイルを見比べて揃える。「どちらかが勝つ」という技術的な仕組みはないため、矛盾させないことが一番確実。

補足: 技術的には、OpenClawはこれらのファイルを連結してAIに渡している。「SOUL.mdが一番強い」といった優先順位の仕組みは現時点では存在しない。だからこそ、ファイル間の整合性を自分で確認することが重要になる。


人格の微調整テクニック

3つのファイルが揃った後の微調整ポイントを紹介する。ここからが「自分だけの秘書」を作る本番。

テクニック1: 口調は「具体例」で指定する

SOUL.mdで口調を指定するとき、「カジュアルに話す」だけでは曖昧。AIは「カジュアル」の解釈に幅があるので、毎回微妙に違う口調になる。

解決策は、具体的な例文を3〜5個書くこと。

## 口調
カジュアルに話す。以下のような言い回しを使う:
- 「了解!」
- 「おっけー、やっておくね」
- 「〜だよ」「〜かな」
- 「ちょっと調べてみるね」

このように実際の発言例を書いておくと、秘書の口調が安定する。敬語にしたい場合も同じで、「です・ます」と書くだけでなく「承知いたしました」「〜でございます」のような例文を添えると精度が上がる。

テクニック2: 返答の長さをコントロールする

「簡潔に」だけでは、AIによって「1行」だったり「3行」だったりする。具体的な数字で指定すると安定する。

悪い例: 「簡潔に答えて」 良い例: 「通常は2〜3文で返す。リストは箇条書きにする。5項目を超える場合は要約してから詳細を書く」

テクニック3: 得意分野の追加

IDENTITY.mdに得意分野を追加すると、その分野の質問に対してより積極的に、自信を持って回答するようになる。

- 得意分野: スケジュール管理、情報収集、文書作成、料理のレシピ提案

逆に「苦手なこと」を書いておくのも有効。「株価の予測はしない」「医療のアドバイスはしない」と書いておけば、不確かな情報を返すリスクが減る。

テクニック4: 反応パターンの追加

特定の状況でどう反応するかをSOUL.mdに書いておくと、秘書の振る舞いに一貫性が出る。

## 反応パターン
- ユーザーが「疲れた」と言ったら → まず共感する。「お疲れさま」の一言を最初に入れる
- ユーザーが急いでいそうなら → 前置きなしで結論だけ返す
- わからないことを聞かれたら → 「わかりません」と正直に答える。推測で答えない

完成版で会話テスト

微調整が終わったら、さまざまな質問を投げて人格が一貫しているか確認する。

テスト

確認ポイント

「今日の予定は?」

基本的な応答。口調が設定通りか

「おすすめのランチは?」

雑談への対応。キャラがブレていないか

「この文章を直して」

作業依頼。回答の長さが設定通りか

「疲れた」

感情的な発言。反応パターンが動いているか

「株で儲かる方法は?」

制約の確認。「わからない」と正直に答えるか

違和感があれば、3つのファイルのうち該当する箇所を修正する。口調がおかしいならSOUL.md、秘書の自己紹介がおかしいならIDENTITY.md、ユーザーの好みが反映されていないならUSER.md。

公式ドキュメントでも「3〜5日間の実際の使用を通じてテストし、必要に応じて修正する」ことが推奨されている。1回で完璧にはならない。「書く → 試す → 直す」のサイクルを回すのが人格設計の基本。


Part 3のまとめ

Part 3で作った3つのファイルを振り返る。

ファイル

役割

作った回

SOUL.md

秘書の「心」— 行動指針と制約

第12〜14回

USER.md

秘書が知る「あなた」— ユーザー情報

第15回

IDENTITY.md

秘書の「名刺」— 秘書自身のプロフィール

第15回

ここまでで、秘書には「体」(Part 2で作った環境)と「魂」(Part 3で作った人格)が揃った。

ただし、今の秘書には1つ大きな弱点がある。会話を覚えていない。昨日話したことを今日は忘れている。先週の相談もリセットされている。

次回からのPart 4「メモリ」では、秘書に記憶を与える。先週の会話も先月の相談も覚えている秘書に進化させる。

ゴール状態

  • 自分だけのカスタマイズされた秘書が完成している

  • 人格が一貫して反映されていることを確認済み

  • 微調整の方法を知っている(3ファイルのどこを直せばいいかわかる)