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📚 OpenClaw基礎講座

第25回: 他チャネルへの展開ガイド — Discord / LINE / Slack

※この動画はローカルに存在しません(配信元で削除/非公開)

この回はレクチャー動画はありません。テキストのみとなります。

この回で学ぶこと

  • Discord / LINE / Slackそれぞれの接続手順の概要

  • 各チャネル特有の注意点と落とし穴

  • 自分の用途に合ったチャネルの選び方


前回のおさらい

前回、Telegramでの画像・音声・ファイル送信やボタンUIを学んだ。Telegram経由での秘書とのやりとりは一通りマスターした。今回は他のチャネルへの展開方法を概要レベルで紹介する。

補足: この回はハンズオンではなく、手順の概要紹介。実際のセットアップは各自で挑戦する形になる。Telegramで秘書の基本動作は確認済みなので、追加チャネルは自力で進められる土台がある。


全チャネル共通の流れ

どのチャネルを追加する場合も、やることの大枠は同じ:

  1. 外部サービス側でBotを作る — Discord・LINE・Slackそれぞれの開発者ページでBotを作成し、トークンを取得する

  2. OpenClawの設定ファイルにトークンを書く — openclaw.json の channels セクションに、取得したトークンと有効化の設定を追記する

  3. ゲートウェイを再起動する — openclaw gateway restart で秘書が新しいチャネルに接続される

Telegramのときと同じ流れ。違うのは「外部サービス側の手順」と「必要なトークンの種類」がチャネルごとに異なる点。


Discord連携

Discordはチームやコミュニティで秘書を共有したい場合に最適。ネイティブ対応(追加インストール不要)で、Telegramの次にセットアップが簡単。

セットアップの流れ:

  1. Discord Developer Portal(discord.com/developers/applications)にアクセスし、新しいアプリケーションを作成する

  2. 左メニューの「Bot」セクションでBotを追加し、トークンをコピーする

  3. 同じ画面で「Privileged Gateway Intents」の以下2つを必ず有効にする:

    • Message Content Intent — これがオフだと、Botがメッセージの中身を一切読めない(最も多いトラブル原因)

    • Server Members Intent — サーバーのメンバー情報を取得するために必要

  4. 左メニューの「OAuth2」→「URL Generator」で招待URLを生成する

    • スコープ: bot と applications.commands にチェック

    • 権限: 「View Channels」「Send Messages」「Read Message History」「Embed Links」「Attach Files」にチェック

  5. 生成されたURLをブラウザで開き、自分のサーバーにBotを招待する

  6. openclaw.json にトークンを登録する:

{
  "channels": {
    "discord": {
      "enabled": true,
      "token": "取得したBotトークン",
      "dmPolicy": "pairing"
    }
  }
}
  1. openclaw gateway restart で再起動する

Discordならではのポイント:

  • 特定のチャネルだけで動かせる — サーバー全体ではなく「#ai-秘書」チャネルだけで秘書を使う、といった設定が可能。ギルドID(サーバーID)とチャネルIDを設定ファイルに書くことで制御する

  • スレッド対応 — Discordのスレッド機能にも対応している。スレッドごとに別の会話として扱われる

  • ペアリングはTelegramと同じ — dmPolicy: "pairing" の場合、DM(ダイレクトメッセージ)で秘書に話しかけるにはペアリング承認が必要

  • 2,000文字制限 — Discordのメッセージには2,000文字の上限があるが、長い回答は自動的に分割して送信される

Discordを使っていない人向け: Discordはゲーマーやクリエイター向けの無料チャットアプリ。「サーバー」と呼ばれるグループを作り、その中に「チャネル」(話題別の部屋)を分けて会話する仕組み。


LINE連携

日本人ユーザーには最も馴染みのあるアプリだが、セットアップの難易度とコストが他より高い。LINEはプラグイン対応(追加インストールが必要)。

事前準備 — プラグインのインストール:

openclaw plugins install @openclaw/line

これはOpenClaw公式が提供しているプラグイン。TelegramやDiscordと違い、LINEは標準ではOpenClawに組み込まれていないため、このインストールが必要。

セットアップの流れ:

  1. LINE Developers(developers.line.biz)に登録する

  2. 「プロバイダー」を作成し、その下に「Messaging API」チャネルを作成する

  3. チャネルシークレットとチャネルアクセストークンの2つをコピーする

  4. 「Webhook設定」で「Webhookの利用」をオンにする

  5. Webhook URLを設定する(ここが最大の難関 — 後述)

  6. openclaw.json にトークンを登録する:

{
  "channels": {
    "line": {
      "enabled": true,
      "channelAccessToken": "取得したアクセストークン",
      "channelSecret": "取得したチャネルシークレット",
      "dmPolicy": "pairing"
    }
  }
}
  1. openclaw gateway restart で再起動する

最大の壁:Webhook URLとHTTPS

LINEは、ユーザーがメッセージを送ると「このURLに届けてね」という通知先(Webhook URL)にデータを転送する仕組み。このURLは**安全な通信(HTTPS)**でなければLINE側が受け付けない。

自宅のPCは通常インターネットから直接アクセスできないため、「トンネリング」という仕組みを使って、インターネット上に一時的な入口を作る必要がある。

主な方法:

  • Cloudflare Tunnel — 無料で安定。常時稼働向け。おすすめ

  • Tailscale Funnel — OpenClawが公式サポート。設定が比較的簡単

  • ngrok — 開発・テスト用。無料だとURL が再起動のたびに変わる

この部分がLINEセットアップで最もハードルが高い。Telegram・Discord・Slackにはこの手順が不要なので、LINEだけ難易度が一段上がる。

LINEのコストについて:

  • 無料プラン(コミュニケーションプラン): Bot発信のメッセージが月200通まで無料

  • 重要: ユーザーが話しかけてきたメッセージへの返信は無料・無制限。200通制限はBotから先に話しかける「プッシュメッセージ」だけにかかる

  • つまり、秘書として「聞かれたら答える」使い方なら、実質的にほぼ無料で使える

  • Botから定期的に通知を送りたい場合(例: 毎朝のニュース配信)は200通の制限に注意

  • 200通を超える場合は月5,000円〜の有料プランが必要

LINEの既知の制限:

  • ファイル送信(PDF・Word・Excel等)が未対応 — 現時点でOpenClawのLINEプラグインにはファイルメッセージを処理できないバグがある。画像・動画・音声は対応済みだが、ドキュメントファイルは受信できない。将来的に修正される見込み


Slack連携

会社や仕事で既にSlackを使っている場合に最適。ネイティブ対応(追加インストール不要)。

Slackの大きな利点はSocket Modeという仕組み。これはSlack側からOpenClawに接続してくれるモードで、公開URLもトンネリングも不要。LINEのようなWebhook設定の手間がない。自宅のPCでそのまま動く。

セットアップの流れ:

  1. Slack API(api.slack.com/apps)にアクセスし、「Create New App」→「From scratch」で新しいAppを作成する

  2. 左メニューの「Socket Mode」を有効にする

  3. 「Basic Information」→「App-Level Tokens」で、connections:write スコープのトークンを生成する(xapp- で始まるトークン)

  4. 「OAuth & Permissions」で必要な権限を追加する(主なもの:chat:write, channels:history, im:history, im:read, im:write, app_mentions:read)

  5. 「Event Subscriptions」でBotイベント(message.im, app_mention 等)を購読する

  6. 「App Home」→「Messages Tab」を有効にする(DM受信に必要)

  7. ワークスペースにAppをインストールし、Bot Token(xoxb- で始まるトークン)をコピーする

  8. openclaw.json に2つのトークンを登録する:

{
  "channels": {
    "slack": {
      "enabled": true,
      "appToken": "xapp-で始まるApp-Levelトークン",
      "botToken": "xoxb-で始まるBotトークン"
    }
  }
}
  1. openclaw gateway restart で再起動する

  2. Slackで秘書Botを使いたいチャネルに招待する:チャネル内で /invite @Bot名 と入力

Slackのポイント:

  • トークンが2種類必要 — App-Level Token(接続用)とBot Token(操作用)の両方が必要。Telegramの1つだけとは違うので注意

  • 公開URL不要 — Socket Modeのおかげで、LINEのようなWebhook設定は不要。自宅PCでそのまま動く

  • 無料プランの90日制限 — Slackの無料プランでは90日経過するとメッセージが自動削除される。ただしOpenClawの記憶(MEMORY.md・日次ログ)は秘書側に保存されるので、秘書の記憶には影響しない。Slack上で過去のやりとりを遡って見られなくなるだけ

  • スレッド対応 — Slackのスレッド機能に対応している。ただし、スレッド内でのファイル添付が正しく動作しないバグが報告されている


セキュリティの補足:誰が秘書に話しかけられるか

全チャネルに共通して dmPolicy(ダイレクトメッセージポリシー)という設定がある。Telegramのときに設定した "pairing" と同じ仕組みが、Discord・LINE・Slackでも使える。

  • "pairing"(デフォルト) — ペアリングコードで承認した人だけが使える

  • "allowlist" — 指定したユーザーIDの人だけが使える

  • "open" — 誰でも使える(公開Bot向け)

  • "disabled" — DM自体を無効にする

つまり、DiscordサーバーにBotを入れても、Slackワークスペースに追加しても、勝手に誰でも秘書を使えるようにはならない。使える人を明示的に許可する必要がある。


チャネル選択の指針

Telegramで基本は完了している。追加チャネルは自分のニーズに合わせて選べばいい。

  • 個人で秘書を使う(メイン) — Telegram(設定済み)。手軽さ ★★★

  • チーム・コミュニティで共有 — Discord。手軽さ ★★☆。ネイティブ対応で比較的簡単

  • 会社の業務に組み込む — Slack。手軽さ ★★☆。Socket Modeで公開URL不要。トークン2種類が少し面倒

  • 日本の知人・家族と共有 — LINE。手軽さ ★☆☆。プラグインインストール+HTTPS設定が必要。ファイル送信バグあり

迷ったら: Telegramだけで十分に秘書は活躍する。「他のアプリからも使いたい」と思ったタイミングで追加すればOK。複数チャネルを同時に有効にすることもできる(Telegram+Slackなど)。


Part 5の振り返り

Part 5で学んだこと:

  • 第21回:Telegramの準備 — BotFatherでBotを作成し、トークンを取得した

  • 第22回:Telegramとの接続 — openclaw.json にトークンを設定し、ゲートウェイ起動。ペアリングで自分だけのBotとして承認した

  • 第23回:Telegramの応用 — 画像・音声・PDF・ボタンUIなど、テキスト以外のやりとりを学んだ

  • 第24回:他チャネルへの展開 — Discord(ネイティブ)・Slack(ネイティブ、Socket Mode)・LINE(プラグイン、HTTPS必須)の概要を理解した

Part 5で秘書に「連絡手段」を与えた。次のPart 6では、秘書に「スキル」を教える。既存の便利スキルを追加したり、自分だけのオリジナルスキルを作る方法を学ぶ。

ゴール状態

  • 各チャネルの接続手順を概要レベルで理解している

  • チャネルごとの特徴と注意点(コスト・難易度・制限)を把握している

  • 設定ファイル(openclaw.json)にトークンを追記する流れが共通であることを理解している

  • 自分に必要な追加チャネルを判断できる