第5回: なぜDockerを使うのか — AI秘書を「檻」に入れる
この回で学ぶこと
なぜDockerが必要なのか(セキュリティの観点)
Dockerの概念(隔離・使い捨て・安全)
Docker Desktopのインストール方法
前回のおさらい
OpenClawを安全に使うための3つのルールを学んだ。1つ目がDocker内で動かす(隔離)、2つ目がClawdHubのスキルは中身を確認してから入れる(検証)、3つ目がSOUL.mdに禁止事項を書く(ルール)。今回から1つ目のルール「Docker内で動かす」を実践する。
OpenClawの権限の怖さ
OpenClawはPCの上で動くプログラムであるため、以下の操作が全て可能になる。
ファイルの読み書き | 写真フォルダ、メール、ドキュメント、全て読める |
コマンドの実行 | ファイルの削除、ソフトのインストール |
ネットワークアクセス | 外部サーバーへの通信、データの送信 |
悪意のあるスキルがインストールされた場合、PCの中の個人情報やファイルが外部に送信される危険がある。第4回で紹介したClawdHubへのマルウェア混入事件は、まさにこのリスクが現実になった例。
だからこそ、OpenClawを「檻」に入れて動かす必要がある。その檻がDockerである。
OpenClaw インストール方法の比較
ワンクリックスクリプト | 最速(5分) | 低い | お試し・学習用 |
npm ネイティブ | 速い | 中程度 | 自分のMacで日常利用 |
Docker | セットアップに手間 | 最も高い | VPS/サーバー/本番運用 |
状況別おすすめ
Mac miniで自分専用 | ネイティブ(npm)+ツールサンドボックス(Docker) |
VPS/クラウドで運用 | Docker一式 |
とにかく試したい | ワンクリックスクリプト or npm |
チームで共有 | Docker+ユーザーごとにゲートウェイ分離 |
Dockerとは「安全な箱」
Dockerの概念を、オフィスビルに例えて説明する。
PC全体 | オフィスビル全体 |
Dockerコンテナ | ビルの中の1部屋 |
OpenClaw | その部屋だけで働く秘書 |
OpenClawを野放しで動かすのは、新入りの秘書にオフィスの全部屋の鍵を渡すようなもの。Dockerで動かすのは、秘書専用の部屋を用意して、そこだけで仕事してもらうイメージ。
Dockerの3つの特徴:
隔離: 秘書は部屋の外に出られない。PCの他のファイルには触れない
使い捨て: 部屋の中でどんなに散らかしても、部屋ごと捨てればPCは無傷
窓口制: 必要なファイルだけ、窓口を通して秘書に渡す。全てのファイルが見えるわけではない
Docker Desktopのインストール
Docker Desktopは、Dockerを簡単に使うためのアプリケーション。以下の手順でインストールする。
ブラウザで docker.com にアクセスする
「Download Docker Desktop」をクリックする
Macの場合: ダウンロードした
.dmgファイルをダブルクリックし、Docker アイコンを Applications フォルダにドラッグするDocker Desktop を起動する
メニューバー(画面上部)にクジラのアイコンが表示されれば起動成功
動作確認
ターミナルを開いて、以下のコマンドを入力する。
docker --version
Docker version 27.x.x のようにバージョン番号が表示されればインストール完了。エラーが出る場合は、Docker Desktopが起動しているか確認する。
ゴール状態
Docker Desktopがインストールされて起動している
「Dockerは安全な箱」というイメージを持てている