第27回|PRで修正を体験しよう — 安全に本番を更新する
このレッスンのゴール
このレッスンのゴール
Claude Code WebからPR(プルリクエスト)を作成し、プレビューで確認してからマージして本番に反映するまでの一連の流れを体験すること。
PR(プルリクエスト)とは何か
PR(プルリクエスト)とは何か
前回、Web版は「提案しかできない」とお話ししました。この提案のことを PR(プルリクエスト) と呼びます。
正式名称はPull Request(プル・リクエスト)。直訳すると「引っ張って取り込んでくださいという依頼」。要するに「こう変更したいんですが、取り込んでもらえますか?」という提案書のようなものです。
たとえるなら 「変更の提案書」 ですね。会社で何かを変えるときに、いきなり変えるのではなく「稟議書(りんぎしょ)」を出して上司に確認してもらいますよね。PRはそれに似ています。「こう変えたいんですが、よろしいですか?」と提案して、確認が取れたら実行する。この流れです。
いきなり本番のアプリを書き換えるのではなく、「こう変えたいんですが、いいですか?」と提案する。確認してOKなら反映する。この流れが安全な修正の基本です。
修正したい
↓
PR を作る(提案書を出す)
↓
プレビューで確認する(下書きをチェック)
↓
マージする(本番に反映する)
ここで「マージ」という言葉が出てきました。マージ(merge)は「合流させる・統合する」という意味です。川が合流するイメージですね。PRの変更内容を本番のコードに取り込む操作のことを「マージする」と言います。本流(本番)に支流(修正内容)を合流させる、というイメージです。
Claude Code Webで修正指示を出す
Claude Code Webで修正指示を出す
それでは、実際にやってみましょう。
1. Claude Code Webを開く
前回接続した my-todo-app リポジトリが開いている状態で進めます。
ブラウザを開いてください。
Mac の場合:
Cmd+Spaceで Spotlight を開き、「Safari」や「Chrome」と入力して起動しますWindows の場合: タスクバーの Chrome や Edge のアイコンを左クリックして起動します
アドレスバーに以下のURLを入力して Enter を押してください。
<https://claude.ai/code>
前回の接続が残っていれば、my-todo-app リポジトリがすでに選択された状態になっているはずです。もし選択されていなければ、リポジトリ一覧から my-todo-app を左クリックして選択してください。
確認してみましょう
画面にチャット入力欄(テキストボックス)が表示されていて、リポジトリ名として my-todo-app が表示されていれば、準備OKです。
2. 修正指示を入力する
修正指示を入力する
チャット欄を左クリックして、こう入力してみてください。
TODOアプリのタイトルを「○○のTODOリスト」に変更してください
(「○○」には自分の名前を入れてみてください。たとえば「田中のTODOリスト」のような感じです)
入力したら Enter キーを押して送信します。
3. PRが自動作成される
PRが自動作成される
Claude Code Webがコードを読んで、タイトル部分を見つけて修正し、自動的にPRを作成してくれます。皆さんはコードに触れる必要は一切ありません。日本語で「こうしてほしい」と伝えるだけです。
作業には数十秒〜1分ほどかかることがあるので、焦らず待ちましょう。画面にClaude Code Webの処理状況が表示されることがあります。文字が流れていれば、処理中です。
確認してみましょう
作業が完了すると、チャットの中に GitHubのPRリンク(https://github.com/... で始まるURL)が表示されます。このリンクが見えれば、PRが正常に作成されています。このリンクを左クリックして、GitHubでPRを確認してみましょう。
トラブルシュート
PRが作成されずにエラーが表示された場合: もう一度同じ指示を送ってみてください。一時的な問題で失敗することがまれにあります
処理が1分以上かかっている場合: そのまま待ちましょう。複雑な処理が行われている可能性があります。5分以上かかる場合は、ページを再読み込みして最初からやり直してみてください
「リポジトリが見つかりません」と表示された場合: リポジトリの選択が外れている可能性があります。ページ上部でリポジトリを再選択してください
GitHubでPRを確認する
GitHubでPRを確認する
PRリンクを左クリックすると、ブラウザの新しいタブ(または同じタブ)でGitHubのPR画面が表示されます。
ここで見てほしいのが、変更内容の表示(diff表示)です。diff(ディフ)は difference(違い)の略で、変更前と変更後の差分を見せてくれる表示のことです。たとえるなら、Word文書の「変更履歴」機能のようなものですね。「ここが消されて、ここが新しく書かれました」と色で教えてくれます。
画面の中ほどに「Files changed」というタブがあります。それを左クリックしてみてください。
赤と緑の意味
赤と緑の意味
変更箇所が色分けで表示されています。
赤い行(先頭に - マーク) = 削除される部分。変更前のコード
緑の行(先頭に + マーク) = 追加される部分。変更後のコード
たとえば、タイトルを変更した場合、こんな表示になります。
- <h1>TODO App</h1>
+ <h1>○○のTODOリスト</h1>
赤い行が消えて、緑の行に置き換わる、ということですね。「TODO App」という文字が「○○のTODOリスト」に変わりますよ、と教えてくれています。
コードの中身を理解する必要はまったくありません。「赤が消えて、緑になるんだな」「タイトルの文字が変わるんだな」とだけ確認できればOKです。
確認してみましょう
「Files changed」タブで、赤と緑の色分け表示が見えましたか? 自分の名前が緑の行に入っていれば、正しく修正されています。
プレビューで確認する
プレビューで確認する
PRを作ると、Vercelが自動的に プレビューURL を生成してくれます。プレビューというのは「事前確認」のことですね。映画の予告編(プレビュー)のように、「本番公開する前に、どんな感じになるか見せてもらえる」仕組みです。本番に反映する前に、変更後の見た目を確認できます。
プレビューURLを見つける
プレビューURLを見つける
GitHubのPR画面に戻りましょう(まだ「Files changed」タブにいる場合は、画面上部の「Conversation」タブを左クリックしてください)。
画面を下にスクロールしてください。コメント欄の中に、Vercelからの自動コメントが表示されています。「Vercel」のロゴや「Preview」という文字が見えるはずです。
そのコメントの中にプレビューURLがあります。https://my-todo-app-xxxx-yyyy.vercel.app のようなURLです。これを左クリックしてください。
確認してみましょう
プレビューURLを開くと、TODOアプリが表示されます。タイトルが「○○のTODOリスト」に変更されているはずです。変更が確認できれば、プレビュー確認は成功です。
次に、本番URL(https://my-todo-app-xxxx.vercel.app)も別のタブで開いてみてください。こちらは まだ変更されていないはず です。タイトルは元のままです。
本番とプレビューの違い
本番とプレビューの違い
内容 | 現在公開されているアプリ | PRの変更を適用したアプリ |
影響 | 全ユーザーが見る | 自分だけが見る確認用 |
タイトル | 元のまま(変わっていない) | 「○○のTODOリスト」に変更済み |
これがPRの良いところです。「確認してから反映する」ので、いきなり本番が壊れる心配がありません。プレビューを見て「あ、これ違うな」と思ったら、PRを閉じれば(後述)何も変わりません。やり直しがきくわけです。
トラブルシュート
プレビューURLが見つからない場合: VercelがPRを検知してプレビューを作成するまでに少し時間がかかることがあります。1〜2分待ってから、ブラウザのリロードボタン(画面上部の丸い矢印アイコン、またはMacなら
Cmd+R、WindowsならCtrl+R)を左クリックして、ページを再読み込みしてみてくださいプレビューURLを開いたが「404 Not Found」と表示される場合: Vercelのビルド(アプリの構築)がまだ完了していない可能性があります。2〜3分待ってからもう一度アクセスしてみてください
プレビューで変更が反映されていない場合: ブラウザのキャッシュ(一時保存データ)が影響している可能性があります。
Ctrl+Shift+R(MacならCmd+Shift+R)で強制リロードしてみてください
マージする — 本番に反映する
マージする
プレビューで確認して問題なければ、本番に反映しましょう。この操作を「マージする」と言います。先ほど説明したとおり、支流を本流に合流させる操作です。
1. GitHubのPR画面に戻る
ブラウザの戻るボタンを左クリックするか、GitHubのPRページのタブを左クリックして戻ってください。
2. 「Merge pull request」をクリック
Merge pull requestをクリック
PR画面のページの一番下のほうまでスクロールしてください。
緑色の 「Merge pull request」 ボタンが見えます。これを左クリックしてください。
3. 「Confirm merge」をクリック
ボタンが変わって、「Confirm merge」 という確認ボタンが表示されます。「本当にマージしていいですか?」という最終確認ですね。これを左クリックします。
確認してみましょう
画面に紫色の帯で「Pull request successfully merged and closed」のようなメッセージが表示されたら、マージ完了です。「Merged」という表示がPR画面に出ていれば成功しています。
これで、PRの変更が本番に反映されます。
4. 本番URLで確認する
本番URLで確認する
ここで大事なことをお伝えします。マージ後すぐには反映されません。 Vercelがコードの変更を検知して、新しいバージョンをビルド(構築)して公開するまでに、1〜2分ほどかかります。 たとえるなら、お店の看板を付け替える工事に少し時間がかかるようなものです。
1〜2分待ってから、本番URL(https://my-todo-app-xxxx.vercel.app)を開いてみてください。すでに開いている場合は、ブラウザのリロードボタンを左クリックしてください。
タイトルが「○○のTODOリスト」に変わっています。
トラブルシュート
すぐに反映されない場合: 慌てないでください。1〜2分待ってからリロードしてみましょう
3分以上経っても変わらない場合: ブラウザのキャッシュ(一時保存データ)が影響している可能性があります。
Ctrl+Shift+R(MacならCmd+Shift+R)で強制リロードを試してみてください「Merge pull request」ボタンがグレーで押せない場合: Vercelのビルドチェックが完了するのを待つ必要があるかもしれません。数分待ってからページを再読み込みしてみてください
もしPRの内容が間違っていたら
PRの内容が間違っていたら
プレビューを見て「あ、これ違う」と思った場合は、マージせずにPRを閉じることができます。
GitHubのPR画面で、「Merge pull request」ボタンの近くに 「Close pull request」 というテキストリンクがあります。これを左クリックすれば、PRが閉じられます。
PRを閉じても、本番には何も影響しません。まさに「提案書を取り下げた」だけです。安心してやり直せます。Claude Code Webでもう一度正しい指示を出して、新しいPRを作ればOKです。
修正サイクルのまとめ
修正サイクルのまとめ
今日体験した流れを整理します。
Claude Code Webで修正指示を入力
↓
PRが自動作成される(提案書が出る)
↓
GitHubで変更内容を確認(赤 = 削除、緑 = 追加)
↓
プレビューURLで見た目を確認(本番はまだ変わらない)
↓
マージ(本番に反映)
↓
1〜2分後に本番URLで確認
これが 安全な修正サイクル です。
「いきなり本番を変える」のではなく、「提案 → 確認 → 反映」という手順を踏む。これだけで、うっかりミスでアプリが壊れるリスクを大きく減らせます。
この流れは何度でも繰り返せます。色を変えたい、文言を直したい、レイアウトを調整したい。そのたびに同じ手順でやればOKです。間違えても大丈夫、PRを閉じればやり直せます。
まとめ
まとめ
PR(プルリクエスト)は「変更の提案書」。いきなり本番を変えないので安全
マージ(merge)は「本番に取り込む」操作。川の合流のイメージ
diff(ディフ)表示: 赤い行 = 削除、緑の行 = 追加。Word文書の「変更履歴」のようなもの
Claude Code Webで修正指示 → PRが自動作成される
Vercelが自動でプレビューURLを生成してくれる。本番に影響なく事前確認ができる
プレビューで確認してからマージすれば、安全に本番を更新できる
間違えてもPRを閉じればやり直せる
修正サイクル: 依頼 → PR → プレビュー → マージ → 本番反映
次回は、この流れを スマホだけ でやってみます。PCがなくても、スマホひとつでアプリの修正ができることを体験しましょう。